┌悪風・口渇・尿量減少・発汗・関節腫脹・疼痛・熱感・湿疹─越婢加朮湯
┌実┼美食過食・体力充実・太鼓腹・高血圧・肩こり・のぼせ・便秘—防風通聖散
│ ├便秘・体力充実・胸脇苦満・上腹部痛・易怒性・頭痛・肩こり─大柴胡湯
┌熱┤ └便秘・のぼせ・足冷・下腹部硬脹痛・強い月経痛・少腹急結─桃核承気湯
│ └虚─手足ほてり・のぼせ・耳鳴・夜間頻尿・腰下肢脱力感・寝汗・健忘─六味丸
│ ┌四肢痛・冷え・しびれ・関節拘縮・胃腸虚弱・軽度浮腫—桂枝加朮附湯
│ ├易疲労・色白・汗かき・水太り・尿不利・身体重い・関節痛—防已黄耆湯
│ ├下腹痛・冷えのぼせ・頭痛・肩こり・子宮筋腫・夜間疼痛—桂枝茯苓丸
└寒─虚┼遊走性の痛み・冷え・しびれ・寒気・浮腫・皮膚枯燥・筋痙攣—疎経活血湯
├下肢脱力感・易疲労感・寒がり・四肢の冷え・腰痛・夜間頻尿—八味地黄丸
└下肢脱力感・易疲労感・しびれ・四肢の冷え・浮腫・夜間頻尿—牛車腎気丸
変形性膝関節症のFirst choiceは、防已黄耆湯であり、色白で汗かき、水太りの寒虚証者が典型例である。大抵は、これだけでは不十分であるため、熱証でない場合、加工附子末１~2g/日を加えるとよい。
防已黄耆湯で充分な効果が得られない時は、以下の方剤に変更、あるいは併用する。
まず熱実証、すなわち顔色も体格も良いものでは、太鼓腹の肥満体質には防風通聖散を、腹力充実し胸脇苦満があれば大柴胡湯を、瘀血でのぼせのあるものには桃核承気湯を用いる。急性期で、患部の熱感腫脹がある場合は越婢加朮湯がよい。
寒証、すなわち顔色のよくないものでは、瘀血があれば桂枝茯苓丸を、痛みが治りにくく血行障害の症状を伴うものには疎経活血湯を、胃腸虚弱で冷え症のものには桂枝加朮附湯を用いる。
腎虚(加齢変化)による膝関節症には、熱証なら六味丸を、寒証なら八味地黄丸(燥証=浮腫なし)や牛車腎気丸(湿証=浮腫あり)を用いる。